キツネとタヌキの化かし合い

今更『マトリックス リローデッド』なんて地上波でやった所で誰も見ないだろ。
何百万人がDVD買ったと思ってるんだよ。
(俺持ってないけど)
 
どうも、Arusiaです。
 
 
 
さてさて。
つまらないので、読んでいるとかなり眠くなってくる『ジハード』なんですが、頑張って読んでいます。
 
以前もお話ししたんですが、この『ジハード』という物語は、12世紀末、キリスト教徒でありながらイスラム側に付いたヴァレリーという青年が智謀を巡らせて十字軍を迎え撃つ――という歴史創作です。
 
3巻現在ヴァレリーは、アスカロンという街の防衛戦で、イングランド王・リチャード獅子心王が放った騎士・アイヴァンホーと戦っています。
 
両者共に互いの軍勢きっての智将。果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのか!?――といった展開なんですが。
 
こんなシーンがありました。
 
アスカロンへと到着したアイヴァンホー。彼はまず街の様子を高所から窺う。
 
アイヴァンホー「……南門が弱いな」
 
どうやら、街は外壁の補強を行ったようだが、まだ南門の工事は完了していないらしい。
 
すると部下が「ならば利用しない手は無いですね」と進言してきた。
しかしアイヴァンホーはこう答えた。
 
「南門の防御面に不安があるコトぐらい、向こうの兵は重々承知している。ならばその分、南門の防備へ動員される兵の数は増えるハズ」
 
部下「なるほど」
 
アイヴァンホー「我らはそこを逆手にとるのだ」
 
つまり、南門を全力で攻めると見せかけて、一気に北門へ回り込むなり、別働隊を用意しておくというのである。
 
 
――なんというか、Aruにでも思いつけそうな策だなぁ……というのは置いておいて。
しかし、ココでアイヴァンホーには唯一の気掛かりがあった。
 
もしかすると、ヴァレリーは俺の策を見抜いていて、更に裏を読んで北門の兵数を増やすのではないだろうか?
 
と考えるのである。
 
……コレ、どの小説にも言えるコトなんですけど、Aruには突っ込み所なんですよ。「もうそんなんキリないじゃん」って。
 
互いに裏を読んでは、裏の裏を掻き、実は裏の裏の裏を読んでいた……!!みたいなのってアホくさくないですか?
 
互いの知力を同等として扱いたいんでしょうけど、もうそうなっちゃったら最終的には『当たるも八卦、当たらぬも八卦』になってしまう……というか、作者の好きな方が勝っちゃう。
 
ヴァレリーは以前にも「敵は私の遥かに上をいく才を持っているから、自分の策なんぞ見抜く」というのを前提にした策を練ったりしてます。
 
 
……え?
 
“自分の遥か上をいく才を持ってる相手”なんだから、「策は見抜かれる」っていう前提自体見抜かれちゃうんじゃないの?(日本語って難しいですね)
 
 
 
もう何なんですかね。別にこの作者に恨みがあるワケじゃないんですけど、どうにも読んでて気分が高まらない。
 
北方謙三『三国志』の時のように血が沸かない。
宮城谷昌光『管仲』の時のように心が震えない。
 
でも、最後まで読みます。
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キツネとタヌキの化かし合い への2件のフィードバック

  1. T より:

    うわ!かったるい話だねぇ~。
    それは無意識なうちに自分の選択肢を狭めているってやつだね。
     
    そんな駄作も諦めずに読むArusia君に乾杯。

  2. Arusia より:

    >>Motti-Motti氏
     
    舞台設定といい着眼点といい、イイ畑なんだけどねぇ。
    作者もキチンと史料による時代考証をしてるだけに、盛り上がりの弱さと冗長さに辟易します。。。

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